作戦級攻勢

 北朝鮮軍の攻勢における作戦目標は、短期間におけるCFC軍の撃破、機動戦を使用する高度に集中した戦役である。

 これらの目標を達成するために、北朝鮮は、圧倒的な火力の使用を重視した機動地上軍を有している。1970年代に始まった戦力機構とドクトリンにおける最近の発展は、結果として、CFCに対して攻勢作戦を実行するために組織、訓練、及び配置された大規模かつ機動性のある現役部隊(特殊作戦部隊を含む。)と、北朝鮮を防御するために良く訓練された広範囲に渡る予備役部隊の2つの異なる戦力組織をもたらしている。

 韓国に対する北朝鮮の攻勢は、3段階から成る。第1段階の目標は、DMZに沿った防御を突破し、前方配置されたCFC部隊を撃破することにある。第2段階の目標は、ソウルを孤立化させ、戦果を確固たるものにすることにある。第3段階の目標は、残存するCFC部隊を追撃及び撃破し、半島の残りの地域を占領することにある。

 第1、第2、第4、及び第5の4個前方通常軍団は、「戦闘」軍団とされる。それらは、ソウル北方のCFC部隊を殲滅する主任務を持って当初の攻撃を実施するものと予想される。殲滅の概念は、敵部隊をその場で撃破する必要性を言明しており、北朝鮮地上軍のドクトリンの鍵である。前方軍団の事後の任務は、縦深におけるCFC部隊の敗北である。

 残りの通常軍団である第3、第6、第7、第8、及び首都防御司令部は、いかつかの任務が存在し得る。これらの任務は、後続部隊、戦果拡張部隊、及び海岸、後方地域、又は首都防御勤務部隊の提供を含む。前方軍団の戦果に応じて、後方軍団は、交替のために部隊を派遣する。

 2個機械化軍団と戦車軍団の一部は、戦闘をソウル後方に移すために、戦果拡張部隊を提供する。残りの機械化軍団と戦車軍団の戦車は、DMZ北方の戦略予備を提供する。

 戦闘開始に先立ち、2個軍級司令部が設置される。これらの司令部は、DMZから釜山港までの作戦を統制するものと予想される。第1軍集団は、韓国西部に対する主攻撃の実施及びソウル北方のCFC部隊主力の撃破を担当する。第2軍集団は、韓国東部に対する支援攻撃の実施及び第1軍集団の左側面の警戒を担当する。

 第2軍集団は、恐らく以下の部隊から成るものと思われる。

 第1梯隊: 前方軍団から成る。その任務は、DMZを越える当初の歩兵突撃を実施し、CFCの防御を突破することにある。

 第2梯隊:機械化及び戦車部隊から成る。これらの部隊の主任務は、前方配備部隊を包囲及び撃破することにある。

 第3梯隊:機械化及び戦車部隊から成る。これらの部隊の主任務は、残存するCFC部隊を追撃及び撃破し、半島全体を占領することにある。加えて、戦略予備部隊又は後続部隊が、要求により全梯隊増強するために存在する。

軍団級組織
 

軍団級組織

 北朝鮮地上軍は、機動を最重要視しているが、その歩兵部隊の集中的機械化に依存しないことにしている。北朝鮮地上軍の「機械化」の概念に注意することが重要である。北朝鮮地上軍にとって、機械化とは、歩兵部隊の迅速な「防護された」移動を提供することを目的としている。大部分の兵員は、歩兵戦闘車ではなく、装甲兵員輸送車又はトラックで移動する。部隊がその目的地に到達するや、部隊は、敵防御を通過して可能な限り乗車戦闘を行うロシア型の歩兵戦闘車(IFV)戦術とは異なり、在来型の歩兵作戦を実施するために下車する。選別的な機械化は、自走砲及び防空システム並びに戦車の使用を通して達成されているが、装甲兵員輸送車又はIFVの数は多くない。過去のように、1990年代の北朝鮮地上軍は、通行困難な地形を利用するために、徒歩の兵士の能力に依存している。目標は、通常部隊をもってCFC部隊を圧倒し、路上・路外の区別なく機械化部隊をもって突破を利用することにある。

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最終更新日:2003/05/21

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